配列

「むむ……」
 パソコンに初めて挑戦の輝夜。が、しかし。キーボードの配列が意味不明、要するに早く打てない。
 それ以前に、キーボードが少々汚い。
「えーりんえーりん、キーボードって便器より汚いんだって。だから掃除してよ!」
「はいはい」
 そういって、永琳はキーボードの『F1』キーをはずし、洗剤のようなものを付けて洗い始めた。
 輝夜はその様子を興味深いと無言で語り、しげしげと見つめる。
「へー、そうやって洗うのね」
「ええ、地味な作業ですけどね」
「そうだ!
 えーりん、それ、私がやるよ。だから貸して!」
「わかりました」

 そして数時間後。キーボードを洗い終えて、満足げな表情の輝夜と、何かがおかしいキーボードが、部屋に鎮座していた。
「さてさて、これで私でも使えるわ」
 試しに、『A』のキーを打った。画面には、『1』と打ち出された。『I』のキーを打つと、『2』が打ち出された。

【あとがき】
【SS(シュール・ショート)三本詰め】に収録させていただきました。
実はこれだけは、実際に聞いた話をもとにしたのですが、おそらく非日常的なことですので、シュールと言うことで。

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